内閣改造、小泉進次郎氏初入閣で政権刷新アピール 19閣僚のうち麻生、菅両氏を除く17人が交代へ

安倍晋三首相(自民党総裁)は11日に行う内閣改造で、小泉進次郎元復興政務官(38)を入閣させる意向を固めた。発信力がある若手の論客である小泉氏を起用することで、政権の刷新をアピールする狙いとみられる。首相は「安定と挑戦の強力な布陣としたい」と表明しており、麻生太郎副総理兼財務相(78)、菅義偉官房長官(70)らを留任させ政権の安定を図る一方で、小泉氏の起用を「挑戦」の象徴とする。

小泉氏は、首相が総裁3選を果たした昨年9月の総裁選で石破茂元幹事長に投票し、首相と距離があるとされる。一方で、同じ神奈川県の選挙区選出の菅氏と近い。

小泉氏は当選4回で、小泉純一郎元首相の次男。復興政務官自民党筆頭副幹事長を経て党厚生労働部会長を務め、次世代のリーダー候補として知名度が高い。先月には首相官邸で、フリーアナウンサー滝川クリステルさんとの結婚を首相らに報告した。第1子誕生後に育児休暇取得を検討する意向を明らかにしている。入閣すれば、34歳で少子化担当相に起用された小渕優子氏、37歳で郵政相となった野田聖子氏に続いて戦後3番目の若さとなる。

今回は、19閣僚のうち、2012年12月の第2次安倍内閣発足時から続投する麻生、菅両氏を除く17人が交代する大規模な改造となる。初入閣は13人で、安倍内閣で最多だった昨年10月改造時の12人を超える。いずれも首相側近の衛藤晟一首相補佐官(71)を1億総活躍担当相、萩生田光一党幹事長代行(56)は文部科学相西村康稔官房副長官(56)を経済再生担当相に起用する。五輪担当相には、1992年アルベールビル冬季五輪のスピードスケート銅メダリストで日本スケート連盟会長を務める橋本聖子前党参院議員会長(54)を充てる。

菅氏と近い菅原一秀元副経済産業相(57)を経産相河井克行党総裁外交特別補佐(56)は法相で起用する。江藤拓首相補佐官(59)は農相で起用する。このほか田中和徳元副財務相(70)、武田良太元副防衛相(51)、北村誠吾元副防衛相(72)、竹本直一元副財務相(78)が初入閣し、ポストを調整している。公明党赤羽一嘉元副経産相(61)は国土交通相に充てる。

加藤勝信総務会長(63)は厚労相で、高市早苗衆院議院運営委員長(58)は総務相で、それぞれ再登板となる。茂木敏充経済再生相(63)は外相に、河野太郎外相(56)は防衛相へ横滑りする。

官房副長官には、いずれも首相の出身派閥、細田派の西村明宏元副国交相(59)と岡田直樹参院幹事長代行(57)が固まった。

党役員人事では、選対委員長に細田派事務総長を務める下村博文憲法改正推進本部長(65)の起用を内定。総務会長となる麻生派鈴木俊一五輪相(66)、留任する二階俊博幹事長(80)、岸田文雄政調会長(62)とともに党四役が内定した。森山裕国対委員長(74)は留任し、税調会長に甘利明選対委員長(70)を充てる。幹事長代行には、首相に近い稲田朋美元防衛相(60)が固まった。

首相は11日午前に党役員人事を行い、与党党首会談を経て組閣本部を設置。皇居での閣僚の認証式を経て第4次安倍再改造内閣を発足させる。首相は同日夕、記者会見し人事の狙いを説明する。


◇新内閣発足までの主な流れ(11日)

午前10時半  新役員による初の自民党役員会

11時   新役員が記者会見

1時20分 官房長官が閣僚名簿発表

3時半  皇居で新閣僚認証式

6時   首相記者会見

6時45分 初閣議